同僚から充電出来ないから診てくれと頼まれた、今時よくあるBluetooth接続のコンパクトなワイヤレスヘッドフォン、Air by crazybaby (Nano)を分解してみました。
充電出来ないのは、ヘッドフォンユニットを収めておくベース本体。この中にLiPoバッテリが入っていて、USBケーブルを通じて充電します。ちなみに、ベースに収めたヘッドフォンユニットは正しく充電されますが、それもベースのバッテリが切れるまでの命。
両端の円筒カバーを引っ張って外し、本体を半分に開くと中身を見ることが出来ます。
筐体と基板を留めているネジを外して基板を取り出します。このネジがどれも全てとても堅く締めてあるので、少し躊躇してしまうのですが、ネジ頭をナメないように押し付けながら回します。
目に付く細長い基板はヘッドフォンユニットへの給電や、Type-C端子からの受電を受け持つインターフェイス部分で、コントローラICは右の丸い基板に実装されています。充電状態を示すLEDもこの基板に搭載。そして肝心のコントローラICに刻印は全く有りませんでした。中華製品にはよくあるパターン。
丸基板とは反対側のType-C端子部は次のような構成になっていて、円筒キャップに取り付けられたType-C端子と本体の突起部が接触して通電、という仕組みにより、キャップ閉状態でベースは充電される、と言う仕様を実現していました。
LiPoバッテリの保護スポンジを剥がして、ようやく刻印を確認することが出来ました。「301058 3.7V +145mAh 0.54Wh」とあり、外形寸法10x58mmの3mm厚で保護回路の無い仕様です。
電圧を測ってみると2つ共に1.5V程度しかなく、明らかに低すぎでこれでは充電できません。試しにバッテリを外した状態でType-C端子より給電してみると、LEDが緑色に点灯するので、バッテリ以外はまだ使えそうです。
この類のLiPoバッテリは淘寶で容易に見つけることが出来ますが、バッテリは集運商の非取扱品であることが多く、高い直送費用を払って買うと修理費用がかさむ結果になるので、あまり現実的ではありません(Aliexpressもしかり)。
とここまでの経緯を依頼主に説明し、判断を委ねました。
LiPoバッテリについて調べていた時に見つけたこちらの記事が、なかなか興味深いものでした。最近特に流通しているこの手のBluetoothワイヤレスヘッドフォンの裏でバッテリメーカーの躍進、などなど。
ちなみにそのサイトにも、更に詳細な分解レビューが掲載されています。