華為 Mate 9 MHA-L29の液晶交換修理

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図05.本体を開いて交換品と比較

随分前にアスファルトの地面へ盛大に落としてしまい、液晶上のガラスが割れてしまった華為 Mate 9、幸い液晶自体に損傷は無かったのでそのまま1年以上使ってきましたが、さすがに見栄えが悪いので部品を取り寄せて自分で交換してみました。現状はご覧の通り、ガラス下端にクラックが入っていますが、液晶表示やタッチセンサに支障は有りません。その上で剥がれそうになっているのは、購入時から貼ってあったメーカー謹製の保護フィルム(非ガラス)です。さらに音量ボタンがおそらく内部で挫滅しているらしく、ボタンが全く効きません。

図01.Mate 9ガラス割れ

図01.Mate 9ガラス割れ

当初は業者に任せようと思っていたのですが、型落ちで交換部品の入手は可能かどうか、また実際の修理手順解説動画を調べているうちに、自分でぎりぎり出来そうに思えて来たことから、いつも通り淘寶で部品を調達。

液晶とガラスが一体になっているので、両者を分けてガラスのみ交換するには、こちらの記事にあるような設備が必要で、実際にはガラスだけの入手は困難で、液晶が生きていてもセットで交換のが通例なようです。

今回はさらに液晶裏に各部品を収めるハウジングもくっついた「带框」仕様を発注します(RMB190+送料)。液晶表面にはHUAWEIロゴが無い無印なので、コピー品でしょう。音量ボタンはボタンそのもの(RMB4.5+送料)に加え、念の為フレキ(RMB6.0+送料)も発注しました。

図02.購入した修理部品全景

図02.購入した修理部品全景

図03.購入した修理部品近影

図03.購入した修理部品近影

早速本体を開けましょう。まず電源を落としたらSIMスロットを外し、下部Type-C端子左右にある星型の特殊ネジを外して、殻割りです。この個体は以前、バッテリ交換で中を開けたことがあるので比較的緩めです。

図04.SIMスロットと星ネジを外す

図04.SIMスロットと星ネジを外す

開いた本体(下図中)と交換品(同右)を比較してみます。本体搭載部品を全て右の交換品へ順次移植してゆく作業になりますが、これでも内部のモジュール化が進んでいて、ひと頃より部品数はだいぶ少なくなりました。

図05.本体を開いて交換品と比較

図05.本体を開いて交換品と比較

まずは勝手知ったるバッテリを外します。フレキを覆っているブラケットのネジ(下図の□印)を外せば、あとは左右がツメ(同図矢印)で引っかかっているだけなので、ブラケットをしならせながら外します。

図06.バッテリ外し

図06.バッテリ外し

次に各種インターフェースを備える下部基板の取り外しに掛かります。まずは上下基板を繋いでいるフレキのコネクタを覆っているブラケットのネジ(下図上矢印)を外し、フレキを外してしまいます。次に基板を留めているネジ(同図下の□印)を外して、左右に分割されている下部基板の左側から外ししてゆきます。

図07.下部基板を外す要領

図07.下部基板を外す要領

この時、スピーカ部分は接着されているので適宜ヒートガンを使って慎重に。また、右側にあるボタン電池のようなバイブの振動モータも、ハウジングと軽く接着されているので、少しずつこじりながら外します。最後に下図赤枠に示されたマイクの導管も忘れずに外します。

図08.分割された下部基板

図08.分割された下部基板

下部基板を外せたら、本体側面にネジ止めされているブラケットとアンテナケーブルを外し、紛失しないよう、先に交換品のハウジングへ取り付けてしまいます。

図09.側面ブラケットの取り外し

図09.側面ブラケットの取り外し

図10.側面ブラケットを移植

図10.側面ブラケットを移植

搭載部品が無くなったところで、あらためて交換液晶ハウジングと比較してみると、微細な差異が見受けられます。尚、下図左の赤い矢印に示された銀色のスポンジも、ピンセットで剥がせるので、交換品へ移植しておきます。

図11.ハウジング下部の微細な差異比較

図11.ハウジング下部の微細な差異比較

あとは左右下部基板を取り外し時と逆順序で取り付け、ネジ止めして下部は完成です。

図12.下部基板を移植

図12.下部基板を移植

続いていよいよ上部ロジックボードに取り掛かります。下図に示されたネジを全て外し、固着しているCPUグリスを念頭に置きつつ、ゆっくりと基板をこじって外します。

図13.ロジックボード取り外し要領

図13.ロジックボード取り外し要領

ロジックボードを外したところで、再び交換品(下図右)との差異を比較してみますが、この部分についてはほぼほぼ同じようです。三年程度経過してCPUグリスはやや乾燥気味な状態でした。交換品にも手持ちのサーマルグリスを塗布しておきます。

図14.ロジックボード付近のハウジング比較

図14.ロジックボード付近のハウジング比較

ロジックボード表裏は下図のようになっていました。図中下の通話スピーカユニットは、ハウジングにハマっているだけで、ロジックボードに対してもフレキではなく、端子が当たることで導通していました。実はこの当たり具合で通話時に音が出ない不具合に散々苦しめられたので、注意と確認は念入りに。

図15.ロジックボードと通話スピーカ

図15.ロジックボードと通話スピーカ

続いてロジックボードをカメラやスピーカなど、周辺部品と共に新しい液晶ハウジングへ移植します。

図16.ロジックボードを移植

図16.ロジックボードを移植

最後に上下基板を繋ぐフレキとアンテナ線を元通り組めば、本体は完成です。

図17.フレキとアンテナ線を移植

図17.フレキとアンテナ線を移植

閉じる前に使えなくなっていた音量ボタンも修理します。ボタン類は裏蓋の側面に据え付けられています。外すには内側から押さえている金属プレートを先に外す必要があります。

図18.音量ボタン現状

図18.音量ボタン現状

外したボタン(下図中下)を新品(同図中上)と比べてみると、押し下げ時に接点が接触する黒い樹脂は粉々になり、周辺に散らばっていました。

図19.音量ボタン単品拡大比較

図19.音量ボタン単品拡大比較

新しいボタンを裏蓋に取り付けて修理は完了です。ボタンの黒い樹脂部分が接点と向き合っているのがわかります。

図20.新しい音量ボタン取付け

図20.新しい音量ボタン取付け

裏蓋を元に戻して全ての作業は完了。液晶の表示、タッチ操作、スピーカ、マイクなど、基本インターフェイス全て正常動作を確認しました。

図21.修理完了

図21.修理完了

が、数時間後、タッチ操作していたら突然画面がチラつき始め、あっという間にブラックアウト。バイブなどの反応はあるのでシステムは生きていると判断し、元の割れ液晶に戻したところ、正常に表示されました。ハズレの互換品液晶を引き当ててしまったようなので、心の傷が癒えたらリベンジしたいと思います。

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