激安HDMI Video Capture USBをUbuntu 18.04で試してみる

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日本でも激安で人気の HDMI Capture USBドングルを買って、 OBS などをUbuntuでどのように使えるのか試してみました。

Hardware

淘寶で購入したのは、日本でもすっかり人気のこの商品(RMB40+送料)。HDMIへの入力は最大ほぼ4Kまで、キャプチャ出力は最大HD1080Pまで。付属のマニュアルは中英文バイリンガルで、OBSでの使い方が解説されていました。

図01.商品パッケージ全景

図01.商品パッケージ全景

図02.付属マニュアル英文

図02.付属マニュアル英文

図03.付属マニュアル中文

図03.付属マニュアル中文

金属筐体の入出力端面はネジ留めされているので、これを外すと中の基板を端子ごと引きずり出すことができます。

図04.部品構成

図04.部品構成

メインチップのヒートシンクはガッチリと固着していて剥がせませんでした。そして基板裏側のメインチップ付近にはスポンジが貼り付いています。

図05.基板表裏

図05.基板表裏

ドングルを元に戻し、Ubuntu 18.04のデスクトップPCのUSBポートに接続するとSyslogには次のようなログが出力されます。

システムが認識したデバイスの情報は次のように。ハードウェアは名無しさんでした。

 

Software

VLC

まずはVLCで確認。画面がカクカクなのでv4l2-ctlで確認してみると、フレームレートが5fpsのまま変えらない様子。VLCの詳細設定にあるフレームレートの項目を設定しても効きません。

図06.VLCキャプチャーデバイス設定画面

図06.VLCキャプチャーデバイス設定画面



加えて、音声ストリームが得られなかったのですが、こちらのフォーラムにヒントを見付けて解決。オプションに明示する必要があるようです。

図07.VLCオーディオメディアの指定

図07.VLCオーディオメディアの指定

フレームレートについても何かオプションが無いか、デバイスの対応するピクセルフォーマットを出力してみると、高いフレームレートで映像を得るにはピクセルフォーマット形式をMJPGにする必要があることが判りました。

  • Pixel Format: MJPG Max 60fps @1080P
  • Pixel Format: YUYV Max  5fps @1080P

VLCではこれをクロマ形式で次のように指定することで、MJPGでの受信が可能になります。

図08.VLCクロマ形式の指定

図08.VLCクロマ形式の指定

以上より、VLCで必要なオプションをコマンドライン形式でまとめると以下の通りです。

VLCでキャプチャ録画 (2021.03.12追記)

キャプチャを表示させながら録画するには、「キャプチャデバイスを開く」ウィンドウ下方、「再生で」はなく「変換」を選択します。

図13.VLCキャプチャデバイスで変換を選択

図13.VLCキャプチャデバイスで変換を選択

続いて現れる変換設定ウィンドウでは必ず「出力の表示」にチェックを入れます(チェック外れていると表示されずに黙々と録画)。出力先のファイル名をセットし、開始ボタンを押すと録画及び表示が始まります。

図14.VLCキャプチャ変換設定

図14.VLCキャプチャ変換設定

開始前に「プロファイル」欄のスパナアイコンを押すと次のコーデック関連の設定画面が開きます。デフォルトでは「オリジナルを保持」にチェックが入っているので、これを外せば任意のコーデックやビットレートを指定することが可能です。

図15.VLCキャプチャ変換プロファイル設定

図15.VLCキャプチャ変換プロファイル設定

実際に録画してみましたが、MJPGでは数分録画しただけで数GBと出力ファイルがかなり肥大すること、h264等のコーデックで変換しようとするとファイル出力が追いついていないように感じられました。VLCは閲覧用と割り切った方が良さそうです。

GUVCView

次にGUVCViewを使ってみます。インストールは次のようにPPAを登録してから。

図09.GUVCView録画中画面

図09.GUVCView録画中画面

VLCの時と違い、特に何も設定を変えずともフレームレートを上げられるのでとてもスムース。スクリーンキャプチャや録画も簡単ですが、音声をモニタ出力する方法が見つからず不安なのですが、録画ファイルには正常に音声も記録されていました。

OBS

最後にYoutubeなどの配信で定番のOBSを試してみます。Ubuntu 18.04標準で入れられるのは少し古いバージョン。

公式レポジトリを追加して現行版にアップグレードしてみます。旧版が入っていると、パッケージ保留でアップグレード出来なかったので、一度アンインストールしてからインストールし直す必要がありました。

図10.OBSキャプチャデバイス設定

図10.OBSキャプチャデバイス設定

 

活用法

特に動画配信に全く興味もない自分にとって、このデバイスの便利な使い方は「簡易仮想ディスプレイ」でしょう。ヘッドレスで使うRaspberry Piのスタンドアロン状態でのセットアップや、トラブルシューティングでコンソール画面を直接見たい場合や、TVセットボックスをメインPCの傍らで使いたい場合など、わざわざ物理的なディスプレイを用意するほどではないこうしたケースに重宝しそうです。

図11.Raspberry PiのHDMI出力を取り込み

図11.Raspberry PiのHDMI出力を取り込み

図12.安博盒子のHDMI出力を取り込み

図12.安博盒子のHDMI出力を取り込み

 

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