
これまで Raspberry Pi にはいつもRaspberry Pi OSを入れて、ヘッドレス運用を常としていました。試したい液晶用に今回、Raspberry Pi Zero W に軽量と言われている DietPi を入れ、 軽量デスクトップ 環境を試してみたいと思います。
Raspberry Pi Zero W
Raspberry Pi Zero WはWiFiとBluetoothが搭載されたモデルで、簡単なスペックは以下の通りです。
- CPU : Broadcom BCM2835 ARM Single Core 1GHz
- RAM : 512MB
- I/F : microUSB x2(1 for PWR), mini HDMI, CSI
DietPi SDカード作成
公式サイトより、DietPiイメージファイルをダウンロードします。
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DietPi_RPi-ARMv6-Buster.7z 146,684,539 byte |
これをUbuntu 18.04 PC 上で解凍することなくオンザフライで、micro SD 16GBに焼きます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 |
$ 7z x /str500/conv1/DietPi_RPi-ARMv6-Buster.7z -so | sudo dd of=/dev/sdd bs=4M conv=fsync status=progress 1069547520 bytes (1.1 GB, 1020 MiB) copied, 78 s, 13.8 MB/s 255+2 レコード入力 255+2 レコード出力 1069614389 bytes (1.1 GB, 1020 MiB) copied, 213.797 s, 5.0 MB/s $ sudo fdisk -lu /dev/sdd ディスク /dev/sdd: 14.5 GiB, 15523119104 バイト, 30318592 セクタ 単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト) セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト ディスクラベルのタイプ: dos ディスク識別子: 0xe8af6eb2 デバイス 起動 開始位置 最後から セクタ サイズ Id タイプ /dev/sdd1 8192 532479 524288 256M c W95 FAT32 (LBA) /dev/sdd2 532480 2088807 1556328 759.9M 83 Linux |
DietPi 初回起動
それではいよいよDietPiシステム起動してみます。以前紹介したHDMIキャプチャUSBを映像出力先として繋いでいます。
これが普段のRaspberry Pi OSをRaspberry Pi 1Bに入れた時と比べても、だいぶ時間掛かっている気がしました(CPUは両者同じもクロックはZeroの方がむしろ高いのでハードウェア面では多少上)。
初回起動の中で自動的にルートパーティションは、SDカードの容量いっぱいまで拡張されました(その分、ログインプロンプトまで時間が掛かったのかも)。
ログインプロンプトではデフォルトパスワードが明示されています。
イーサネットポートの有る機種ではこのままOSのアップデートに入るようですが、Raspberry Pi Zero WにはWiFiしか無いことから、初期設定が一時中断。WiFiを設定するため、DietPi-Configに入ります。
せっかくなので各項目を見てみましょう。まずはDisplay Optionsから。ディスプレイグラフィックスやカメラに関する設定が網羅されています。
Audio OptionsはALSAを有効にするかどうかの一項目のみ。
Perfomance Optionsでは、CPUのオーバークロックやリミッタに関する設定を様々に変えることが可能です。
Advanced Optionには、Swapファイルの設定や、Bluetoothやシリアル、I2Cインターフェイスの設定がありますが、ミニマルなシステムなのでデフォルトでは全て無効になっています。
Langurage/Regional Optionsでは、ロケールやキーボードの設定を行えます。ロケール変更を適用させる時にネットワーク接続を試みるので、諦めてくれるまで2分程度待たされますが、設定は問題なく適用されました。
Security Optionsでは、パスワードとホスト名の変更が出来ます。
次のNetwork Options Adapters、ここにWiFiの設定があります。ここではWiFiのSSID/PASSの設定と、デフォルトでは無効になっているWiFiデバイスを有効にする必要があります。
まずWiFi項を選んで有効にした後、再び同じ項目に入るとSSIDの設定へ。ここではスキャンではなく決め打ちでマニュアル設定した方が速いと思います(まだデバイスが有効になっていないのでスキャン不可かも)。
SSIDの登録を終えたら遷移を戻ってオンボードWiFiをOnにします。機器を再起動させないと実際に使えるようにはならないので、その前にこのまま他の項目も見てみましょう。
Network OptionsのMisc項では、APTやNTPのミラー先やNFSの設定、果てはNo-IPのインストール〜設定まで網羅されています。スタンドアロンで使う場合、この中の「Boot Net Wait」をゼロにしておくと、起動時の無駄な待ち時間を節約出来るでしょう。
AutoStart Optionsでは、起動時のランレベルの設定が出来、現在の設定を一番上の数字で確認することが出来ます。デスクトップ環境を入れた後、ここで16番か2番(オートログイン)に設定しましょう。また、キオスク端末用のモードや、ゲームエミュレータに特化した起動モードもあるようです。
Toolsにはベンチマークとストレステストの為のツールが用意されています。
尚、このDietPi-Config起動中に、sshで入ろうとすると、ログイン後このように警告を受けます。
DietPi-Configの中には再起動の項目は見当たらなかったので、このままDietPi-Configを抜けてコマンドで再起動させたところで、今回はここまで。以降は後編に続けます。
参考)
歴代Raspberry Pi系列のスペック比較