
Windows同様、 Ubuntu でも Nautilus ファイルマネージャの右クリックで、 空のドキュメント ファイルを作ることが出来ましたが、 Ubuntu 18.04 になった頃から見当たらなくなってしまいました。代わりに様々なファイルを テンプレート と称して登録すれば、右クリックから呼び出せるようになるので設定してみます。
空のドキュメント作成とは
「Nautilusファイルマネージャ(a.k.a. GNOME Files)で今開いているフォルダのこの場所に、ファイル名は後で付けるけど、取り敢えずテキストファイルを作り、内容を書き込みたい」
このような用途に任意の場所を右クリックすれば、空のファイルを新規作成出来る機能は、とても便利でよく使っていました。それがUbuntu 18.04 へアップグレードした頃から、この項目が右クリックメニューから消えてしまいました(これはアップグレードのみならず、Ubuntu 18.04を新規インストールした場合でも同様)。
本来ならば、空のドキュメントを新規作成する項目を、「新しいフォルダ」の作成に続いて選べるはずでした。
それはちょうどWindowsで、デスクトップやエクスプローラの何もない箇所を右クリックから選べる、「テキストファイルの新規作成」に相当する機能です。
geditなどのテキストエディタアプリで新規ファイルを先に書き出すのは良いものの、その保存先を指定するダイアログで階層をたどるのが手間でなりません。
Templatesフォルダ
Ubuntu 18.04で仕様が変わったのか、右クリックメニューに新規ファイルを作成する項目を表示するには、ユーザディレクトリのテンプレートフォルダにその雛型となるファイルを作っておく必要があるのだそうです。
この時、Ubuntuを日本語環境でユーザディレクトリのファイル名を日本語にしているか、英語表記にしているかでテンプレートフォルダ名にも、次のような違いがあります(私はターミナルでの日本語入力を極力避けたいので、全て英語表記にしています)。
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~/テンプレート/ ~/Templates/ |
いずれにしても、Nautilusでテンプレートフォルダまで移動したら、右クリックの「端末で開く(Open Terminal Here)」よりターミナルを開けば、 cd で移動する手間が省けるので確実です。そして空のドキュメントファイルを生成するのは次の要領で。ファイル名がそのままメニューに表示されるので、ここは日本語表記にしてみました。
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$ touch ./空のドキュメント |
作成後反映させるには、Nautilusを再起動させる必要が有ります。
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$ nautilus -q $ nautilus -q sys:1: PyGIWarning: Nautilus was imported without specifying a version first. Use gi.require_version('Nautilus', '3.0') before import to ensure that the right version gets loaded. Initializing nautilus-image-con図3.Templatesフォルダに空ドキュメント作成verter extension Initializing nautilus-dropbox 2019.02.14 sys:1: Warning: ../../../../gobject/gsignal.c:1657: signal "iduplicable_modified_changed" already exists in the 'GObject' class ancestry sys:1: Warning: ../../../../gobject/gsignal.c:1657: signal "iduplicable_valid_changed" already exists in the 'GObject' class ancestry $ nautilus & |
これは経験則ですが、一発ではNautilusのプロセスを落としきれないことがあるので、何度かNautilusの終了コマンドを発行する癖がついています。プロセスを落とせたら、ターミナルかアプリアイコンをクリックしてNautilusを起動し直すと、右クリックに「空のドキュメント」が現れるようになり、任意の場所で新規テキストファイルを簡単に作れるようになりました。
xdg-user-dirsをチェック
Templatesフォルダに空のドキュメントを生成しても、Nautilusの右クリックメニューに変化が無い場合は、ユーザディレクトリに関する定義のある、設定ファイル ~/.config/user-dirs.dirs を確認してみましょう。特に古いバージョンのUbuntuからアップグレードしたことのあるシステムでは、アップグレードの際に新たに追加された項目が抜け落ちていることがあります(実際以下のように、抜け落ちていました)。
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# This file is written by xdg-user-dirs-update # If you want to change or add directories, just edit the line you're # interested in. All local ch部分anges will be retained on the next run # Format is XDG_xxx_DIR="$HOME/yyy", where yyy is a shell-escaped # homedir-relative path, or XDG_xxx_DIR="/yyy", where /yyy is an # absolute path. No other format is supported. # 図3.Templatesフォルダに空ドキュメント作成 XDG_DESKTOP_DIR="$HOME/Desktop" XDG_DOWNLOAD_DIR="$HOME/Downloads" XDG_TEMPLATES_DIR="$HOME/" XDG_PUBLICSHARE_DIR="$HOME/Public" XDG_DOCUMENTS_DIR="$HOME/Documents" XDG_MUSIC_DIR="$HOME/Music" XDG_PICTURES_DIR="$HOME/Pictures" XDG_VIDEOS_DIR="$HOME/Videos" |
抜け落ちている部分を次のように編集して保存します。
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XDG_TEMPLATES_DIR="$HOME/Templates" |
これで正しくテンプレートフォルダを振り向かせることが出来ました。
参考と鳴謝)