MH-KC24直流降圧基板を使って安定化電源にQC対応USB充電機能を追加

公開 | 更新 
図1.MH-KC24 コンバータシリーズ

Wanptekの 安定化電源 には充電用の USB 端子を持つモデルもあるのですが、先日私が購入したモデルには無かったので、安価な MH-KC24 直流降圧基板 を用い、 安定化電源 の出力端子に挿して使う、QC対応の USB 充電器 を作ってみました。

MH-KC24シリーズの3兄弟

安定化電源の購入前から見つけて買っておいた、このUSBクイックチャージ対応の直流バックコンバータ基板は、基本形となる1ポート版以外に、2ポート版、4ポート版という、多彩なラインナップ構成です。淘寶での購入価格はそれぞれ次の通り。

  • 1ポート版 : RMB 4.65
  • 2ポート版 : RMB15.80
  • 4ポート版 : RMB29.80
図1.MH-KC24 コンバータシリーズ

図1.MH-KC24 コンバータシリーズ

まずは最もシンプルな1ポート版の基板を見てみましょう。基本仕様は基板裏面に明記されている通り、入力が直流6〜32Vの範囲となっていて、実際には5V辺りでもUSB側に5V出力は得られましたが、これでは大した電力は期待出来ないので、出力より最低1Vは高い電圧を印加する必要があるでしょう。

図2.MH-KC24 1ポート版

図2.MH-KC24 1ポート版

基板表面でまず目につく「MH-KC24」と称する電源ICは、調べてみてもそのような素子は見つからないのですが、こちらのレビュー記事によるとInjoinic Technology社のIP6505相当品と類推されるようで、その簡単なスペックは以下の通りです。

  • 入力 : DC4.5-32V
  • 出力 : DC3-12V 最大24W

これは以前、マキタバッテリ向けのUSBチャージャーを製作した際に採用した無印基板(RMB9.7+送料)と同じ仕様ですが、価格は半分になって他のDC-DCコンバータ基板と比較しても相応な価格と言えます。

入力部の緑色の素子は1206サイズのチップヒューズで、アルファベットは許容電流を次のように表します(データシートはこちら)。調べてみるとこうしたヒューズには、一度切れても繰り返し使える自己復帰型(リセッタブルヒューズ)もあるようなのですが、搭載品はおそらく切れたらそれっきりでしょう。

  • N : 2.0A
  • O : 2.5A
  • P : 3.0A
  • S : 4.0A
  • T : 5.0A

続いて2ポート版の基板を見てみると、基本的に1ポート版をニコイチにしただけで、入力用のDCメタルジャックとショットキーバリアダイオード(SS54)が追加されている程度なので、仮にどちらかの電源ICが死んでももう一方はまだ使えそうです。

図3.MH-KC24 2ポート版

図3.MH-KC24 2ポート版

さらに4ポート版も基本コンセプトは全く同じで、共通なのは入力段まで。チップヒューズ以降は各ポート独立しています。

図4.MH-KC24 4ポート版

図4.MH-KC24 4ポート版

 

MH-KC24のレビューはこのぐらいにして、次のページでは1ポート版の基板を使って、安定化電源のバインディングポスト向けにUSB急速充電器を作ります。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA