2機のOpenWRT間に802.11r Fast Transitionを構築

投稿者: | 2022年7月21日

ネットワーク上にある複数AP間のSSIDやパスフレーズを揃えれば、擬似的な ローミング のような仕組みになりますが、OpenWRT にある 802.11r Fast Transition をきちんと設定すると、より高速な切替が実現出来るのか試してみました。

”なんとなく”ローミング

自宅でGL-iNet GL-AR750S OpenWRTルータを2台(ルータ用と別室AP用)使っていて、両機のWiFi SSIDとチャンネルを合わせて、既にローミングっぽい仕様にはなっています。

図1.自宅ネットワーク構成

図1.自宅ネットワーク構成

特に近年はスマートフォン側の進歩がめざましいこともあり、実際このままでもスムーズにAPを切り替えてくれてくれるのですが、最近たまたま見つけたこちらの記事を読み、一度きちんと設定してみようと思い立った次第です。

日本の住宅とは異なり、香港の住宅の壁はコンクリートやレンガで作られていることから、WiFi電波のカバレッジは狭く、大して大きくない集合住宅でも複数のAPを設置するのが通例です。

実際に自宅のリビング(ルータAP有)から寝室(AP有)へ、スマートフォン片手にゆっくり移動しながらPing発信してみると、数秒のタイムアウトが有りました。

図2.部屋間移動時の瞬断

図2.部屋間移動時の瞬断

LUCI上で802.11rを設定

ルータやAPとして運用しているこの2台のGL-AR750Sはいずれも、メーカー謹製ファームウェアv3.211で動いており、OpenWRT部分のシステム情報は次の通りです。

図3.OpenWRTシステム情報

図3.OpenWRTシステム情報

OpenWRTのLuCIを Network Wireless と進んでWirelessインターフェイスの一覧を開き、2.4GHz, 5GHzでそれぞれ設定しているSSIDの Edit ボタンを押して編集します。

図4.Wirelessインターフェイス一覧

図4.Wirelessインターフェイス一覧

Interface Configuration 項の Wireless Security タブの中に802.11r Fast Transitionのチェックボックスがあるので、

図5.SSID設定の編集

図5.SSID設定の編集

チェックを入れると関連設定項目がずらっと現れて慄きますが、入力必要なのは下図の赤枠部分。

図6.802.11r関連設定

図6.802.11r関連設定

具体的な設定値は以下の要領で。

  • NAS ID
    : 一意な文字列が求められるようなので、BSSIDからコロンを抜いてNAS IDとします。
  • Mobility Domain
    : 任意の4桁の16進数もこちらはローミングSSID間で揃える必要があり。
  • FT Protocol
    : コントローラ不在なのでFT over the Airを選択。
  • Generate PMK Locally
    : チェックが入っていることを確認。

設定を保存し、さらに残るSSIDへも同じ要領で設定したら最後にSave & Applyを押して変更した設定をシステムへ反映させます。

図7.変更した設定を適用

図7.変更した設定を適用

以上の操作により、設定ファイルには以下の項目が追加されました。

 

802.11rローミング動作の確認

これで802.11rローミングがセットアップされましたが問題はその確認方法。

冒頭の図2で示したようなPing応答テストでの瞬断は解消されたので機能している筈なのですが、AP側で何か明示的にステータスやログの形で確認出来ないか調べてみると、こちらのフォーラムでログレベルを引き下げて確認する手法が紹介されていました。

CLIから発行するコマンドは次の通り。

WiFiを再起動しLuCIの System Log を確認するか、量が多ければターミナルから grep でhostapdに絞って出力すると良いでしょう。

本来ならば次のようなログエントリを確認出来るはずですが、何度見返しても出会えず仕舞い。

正常に機能しているのか懐疑的な中、クライアント側でWiFi接続情報を確認していると、 WPA2-PSK+FT と表示されるようになったので、確かにFast Transitionが利用可能になったと納得することにします。

図8.WPA2-PSK+FTを認識

図8.WPA2-PSK+FTを認識

DAWNによるバンドステアリングできず

お手本にしていた元記事の通り、続いてはAPから能動的なバンドステアリング出来るようにしようと、DAWNパッケージを探しますがヒットしません。それもそのはず、パッケージ情報を確認するとサポートはOpenWRT 21.02以降でした。

DAWNを入れるとバンドステアリングを始め、複数AP間のWiFi運用情報共有など楽しそうな機能満載なだけに残念です。

OpenWRT公式サイトにあるGL-AR750S情報ページによると、メーカー謹製ではないOpenWRTファームウェアで21.02.3がサポートされているので、別途時間を作って挑戦してみたいと思います。

 

 

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