NanoPi R2S OpenWRT向けUSB WiFiアダプタの検討

公開 | 更新 

5. MT7612U搭載品

ここまでのトライ中に急遽新たに購入したのが、MT7612U搭載のこのThinkmart M-1200M_V2です(802.11ac 2T2R、USB3.0対応で最大速度は866Mbps)。

図14.Thinkmart M-1200M_V2

図14.Thinkmart M-1200M_V2

あらかじめUbuntu母艦で確認したデバイス情報は次の通り( ID 0e8d:7612 )。

必要なドライバパッケージ kmod-mt76x2u をインストール。

ところが、このWiFiアダプタはWindows向けドライバインストーラを収めたストレージを内蔵しているクセモノで、単にUSBポートへ挿した状態で認識されるのは、このストレージデバイス( ID 0e8d:2870 )のみ。

一般的にLinuxでは usb_modeswitch でこのデバイスに対してイジェクト操作すると、本来のMT7612Uが現れるからくりになっているのだそう(下記はArchLinuxの例)。

OpenWRTでは usb-modeswitch パッケージを使う旨、公式ユーザガイドに解説がありました。

パッケージをインストールすると、 /etc/usb-mode.json と言う定義ファイルが配置され、その中に ID 0e8d:2870 も以下のように含まれていました。

これでもうまく切り替わってくれないので調べを進めると

定義を記したJSONファイルを新設して少し内容の異なる定義を以下の要領で生成し、

再起動後にUSB WiFiアダプタを一度抜き差ししたところ、ようやくスイッチングが効いてMT7612Uが現れました。

起動させる度にアダプタ抜き差しする必要があるのかと気をもみましたが、以降の再起動は常にMT7612Uが現れるようになりました。

但し、一度電源を絶ってからのコールドスタートでは再び疑似ストレージデバイスが顔を出してくるので、USBポートから抜き挿しを行う必要があります。

これを嫌ってか、フォーラム上ではアダプタを分解して基板上の表面実装抵抗を除いて、ストレージ機能部分を無効にしている人も見受けられました(このチップを搭載しているCF-926Aの例)。

さて、LuCI上の設定は重複するので説明は省き、スピードテストの計測結果だけを示します。

図15.Thinkmart M-1200M_V2計測結果

図15.Thinkmart M-1200M_V2計測結果

R2S側のUSB2.0がボトルネックにあるので結果は予想通りでしたが、信号強度の強さはさすがイカつい外部アンテナです。

 

以上、中華の安物WiFiアダプタばかりのレビューになってしまいましたが、どのブランドにせよ中のチップは何を使っているかが肝要と言うことを学びました。

 

created by Rinker
¥10,339 (2024/04/25 01:33:12時点 Amazon調べ-詳細)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA