新たに購入したネットワークスイッチが必要とする 9V 給電を、マルチポート USB チャージャから得るための 9V 昇圧 ブースタ を作り、コンセントやテーブルタップを埋め尽くすACアダプタを少しでも削減してみようと思います。
いきさつ
自宅用に購入したTP-Linkの管理型ギガビットスイッチTL-SG2008Dに記されていた電源の定格は、9V 0.6A(=5.4W)でした。

図1.TL-SG2008D 電源端子
もちろん付属のACアダプタを使えば良いのですが、こうした機器一つ一つにACアダプタが増えてゆくのが嫌で、既にルータやTV Boxはいずれも5V給電なことから、10ポートUSBチャージャ電源からまとめて給電しています。
今回このUSBチャージャの5Vを昇圧ブースタで9Vとすることで、ネットワークスイッチに必要な9VをACアダプタの代わって供給できるようにしようと思います。
昇圧ブースタの選定
以前、USBコネクタに昇圧ブースタが内蔵された12V変換ケーブルを分解したことがありました。
今回同じ要領で9V版を製作するに当たり、手持ちのこちらの可変昇圧ブースタを使います。
基板上の「B6286」と表記のあるICは、Shouding社の2Aステップアップコンバータ SB6286である他、この基板自身の詳細もこちらのGitHubで見つけることができます。
昇圧コンバータモジュールを探すと、まず見つかるのがこちらのMT3608搭載の基板ですが、両者の仕様が全く同じなのでおそらくOEM品か何かでしょう。こちらはポテンショメータが寝ていて高さが抑えられているので、これから買うのであればこちらの方が使いやすいと思います。
なお、どちらも2A出力を謳っていますがこれは瞬間最大値のことであり、連続出力は1A以内に収めることが推奨されています。
組み立て
昇圧コンバータ基板を手頃な大きさの樹脂ケースに収め、入力側にmicro USBコネクタをハンダ付け、出力側は2.5mm DCプラグへ繋がる配線を直接ハンダ付けしました。
ポテンショメータのネジ部分がケース蓋に干渉することに後から気づき、干渉部分をピンバイスで穴を開けて回避しました。
期せずして、中を開けなくとも電圧調整がいつでも可能な仕様になってしまいましたが、ネジ部分を不用意に触って電圧がずれるのが不安なので、目止めシールで塞いでおくつもりです。
消費電力の計測
まずはUSB入力側にUSBテスターUM25Cを挟んだ上で、ネットワークスイッチへ給電して消費電力がどの程度になるのか、計測してみました。

図6.入力側消費電力の推移
何も繋いでいないアイドル状態で0.26A、1ポート接続すると0.31A、もう1つ接続すると0.38Aと線形的に増加するのが分かります。
その後、実際に自宅へ導入して5ポート使用状態での消費電力は2.44W(電流0.5A)程度で済んだので、昇圧コンバータの定格内で安心して使えそうです。

図7.INA219による計測値
尚、このウィンドウは、以前製作した「ESP-01SにリレーとINA219で作るスマートUSBスイッチ」をUSB入力側に挟んで、電力監視してみたものです。