UbuntuにおけるFlash Player の暫定延命手段

投稿者: | 2021年1月20日

以前から告知されていた通り、2021年1月12日よりAdobe Flash Playerが使えなくなりました。それでもFlashを使い続ける手段は無いのか調べてみました。

今回の検証はUbuntu  18.04.5LTSで行いましたが、Windowsでも多少の違い(ファイルのパス等)はあるものの、各ブラウザの対応状況は基本的に同じです。検証時の各ブラウザのバージョンは次の通り。

  • Firefox  : ver.84.0.2
  • Chrome   : ver.87.0.4280.141 
  • Chromium : ver.87.0.4280.66

そしてブラウザ側でFlashが動かせなくなるバージョン(下記参照)へのメジャーアップデートが、2021年1月に予定されています。

  • Mozilla Firefox : ver.85
  • Google Chrome   : ver.88
  • Microsoft Edge  : ver.88

先ずは現状確認。Adobe Flash Player ヘルプページでバージョンチェックと動作確認を行なうことが出来ます。Flashの実行を許可しても、動作しない点では各ブラウザ同じ結果でした(Flashのバージョンはいずれもv32.0.0.465)。

図01.Flash Player Help Page Firefox デフォルト

図01.Flash Player Help Page Firefox デフォルト

図02.Flash Player Help Page Chrome&Chromium デフォルト

図02.Flash Player Help Page Chrome&Chromium デフォルト

次に社内で運用しているvSphere Web Client(FLEX版)を試してみますが、もちろんEOLアイコンになります。尚、運用しているのはvCenter Server 6.7なので、普段はHTML5版のGUIを使っています。

図03.Chrome vSphere Web Client FLEX版に出るEOLアイコン

図03.Chrome vSphere Web Client FLEX版に出るEOLアイコン

 

代替プラグインRuffle

FLashベースのゲームを提供するサイトに支持されているFlashエミュレータ、Ruffleを試してみます。Firefoxではまず公式サイトでFirefox用のxpiファイルをダウンロードした後、次のページを開き、このxpiファイルを一時的なプラグインとして読み込みます。

図04.Firefoxの一時的な拡張機能に入れたRuffle

図04.Firefoxの一時的な拡張機能に入れたRuffle

Chrome向けのプラグインはパッケージ化されていないので、公式サイトよりダウンロードしたZipを適当な場所に解凍し、それを読み込ませます(要デベロッパモード有効化)。

図05.Chromeにパッケージ化されていない拡張機能として入れたRuffle

図05.Chromeにパッケージ化されていない拡張機能として入れたRuffle

気になる再現性は、現時点ではまだActionScript 3をサポートしていないことから、シンプルなFlashミニゲームや動画で動く程度に留まり、とても実用には耐えられませんでした。

図06.Ruffle on Firefox フォト蔵のFlash版ファイルアップロードページ

図06.Ruffle on Firefox フォト蔵のFlash版ファイルアップロードページ

図07.Ruffle on Chrome Flash Player Help Page

図07.Ruffle on Chrome Flash Player Help Page

 

Flashプラグインのバージョン固定

ソフトウェアの更新やaptでの不意な更新に遭わないよう、パッケージのバージョンを固定しておきます。Synapticでは対象パッケージを選んで「バージョンを固定」適用、aptではapt-markを使います(holdで固定、unholdで解放)。

図08.Synapticでのバージョン固定

図08.Synapticでのバージョン固定



 

v32.0.0.465にmms.cfgを設定し例外的有効

Adobeより公開されているFlash Player Administration Guideを参考に、2021年1月12日以降動作しないようキルスイッチの入ったFlashプラグインv32.0.0.465であっても、サイト単位で例外動作出来るように設定してみます(当該ガイドP.28辺りを参照)。先ずは設定ファイルである「mms.cfg」へのパスをブラウザ毎に確認、ファイルやサブフォルダが存在しない場合は適宜新規作成します。

mms.cfgの記述は、例外サイトの有効化するいくつかのパラメータの後、「AllowListUrlPattern」にFlashを動かしたいサイトを以下の要領で列記します(Admin Guideより)。

<shceme>ではワイルドカードでhttpとhttps双方とすることが可能ですが、<host>以降にワイルドカードは一切使えません。使えるようなことをほのめかす書き込みもネットでは散見されるのですが、実際は無視されるので注意が必要です。

図09.Firefox vSphere Web Client FLEX版正常動作

図09.Firefox vSphere Web Client FLEX版正常動作

またswfがアイコンや画像など、設置場所とは別のサイトにホスティングされているリソースを呼び出している場合は、それらのサイトも全て列記しなくてはなりません(さもないと下図のような中途半端な動作に)。

図10.Chrome フォト蔵アルバム一括編集ページ 不完全な設定例

図10.Chrome フォト蔵アルバム一括編集ページ 不完全な設定例

以上を踏まえ、私のmms.cfgは次のようになりました。

 

キルスイッチの無いv32.0.0.371へ巻き戻す

Flashプラグインを少し古いバージョンに巻き戻せば、キルスイッチに邪魔されることなく、これまで通り利用することが出来ますが、あまり古いとセキュリティホールの問題や不具合が多くなることは否めません。そこでキルスイッチの無い最終版であるv32.0.0.371(2020年5月リリース)を入手して入替えてみます。

本来ならAdobeの次のURLよりダウンロードすることが可能でしたが、サポート停止に伴いこうしたアーカイブリンクも軒並み消え去り、ダウンロード出来ません。

そこで、Internet Archiveに保存されているのを見つけ、ダウンロードしました。

入手出来たアーカイブから必要なバイナリを取り出して配置しますが、その前に既存のバイナリは適当にリネームしておきましょう。

これでFirefox、Chromium向けプラグインの入替えは終わりです。Firefoxでは次のURLで開くページでインストールされているプラグインを確認することが出来ます。

図11.Firefoxのabout pluginsページ

図11.Firefoxのabout pluginsページ

調べてみるとそれは、たらい回しのようなリンクを経ていました。

正常に動作するか、先ずはAdobe Flash Player ヘルプページを開き、バージョン番号を確認。更にフォト蔵のアルバム一括編集ページも、mms.cfgに延々とURLを列記することなく、正常に開くことが出来ました。

図12.Firefox Flash Player Help Page 371版で動作

図12.Firefox Flash Player Help Page 371版で動作

図13.Firefox フォト蔵アルバム一括編集ページ 371版で動作

図13.Firefox フォト蔵アルバム一括編集ページ 371版で動作

次にChromiumはおそらくバイナリを置いたところを直接見に行っている印象ですが、これはデフォルト設定で違う場所を指定することも可能です。

図14.Chromium Flash Player Help 371版動作

図14.Chromium Flash Player Help 371版動作

そしてFlash Playerを同梱していると謳っているChromeはChromiumとは異なり、インストール時にFlashプラグインはホームディレクトリ下へ次のように配置され、さらに改ざん防止が施されています。

試しに上記のバイナリを別のバージョンに入れ替えてみましたが、Flash無効と認識されてしまいました。また、上記「PepperFlash」フォルダ下に異なるバージョンのサブフォルダ(例:32.0.0.371/)を作り、そこへバイナリを配置してからChromeを開くと、そのフォルダは改ざんとみなされ、バッサリと削除されてしまうほどの厳格なセキュリティでした。

図15.ChromeのFlashプラグイン入替えも無効認識

図15.ChromeのFlashプラグイン入替えも無効認識

 

China Variant v34に入れ替えてみる

中国大陸向けに専用のバージョンが存在しその最終はv34.0.0.92で、これは今でもこちらのページよりダウンロード可能。せっかく入替えの要領を会得したので、ついでに試してみました。

早速テストページを開いてみますが、まさかの地区制限に引っかかりました。

図16.China Variant v34の地区制限

図16.China Variant v34の地区制限

 

最後に発端を

以上、ここまで意地になってFlashを動かそうとしていたのは、本ドメインで運営しているHong Kong Tram Archiveの日々の画像更新の為でした。画像のホスティング先をフォト蔵にしていて、Webサーバは画像をAPIから呼び出しています。日々撮影した数枚から十数枚になる画像ファイルの一括アップロードにはFlash版を使っていましたが、今回の一件で使えなくなりました。代替に用意されているページはアップロードの失敗率が高く、しかも一括アップロード時は失敗もスルーしてしまうので、どのファイルが失敗したのか結局二度手間。そんなこともあってFlash版使い続けられないかと模索したのですが、フォト蔵側でどうもswf呼び出す部分のスクリプトが消されてしまったようで手詰まり。

図17.フォト蔵アップローダに頻発する失敗

図17.フォト蔵アップローダに頻発する失敗

 

 

参考)

 

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