
USB 5Vで動作するトラベルルータやRaspberry PiなどのSBCデバイス用に、まとまった電力を取り出せそうな USB 10ポート チャージャー を買ったので、分解と簡単な負荷試験をしてみました。
概要
家庭用コンセントのテーブルタップのような形をした、USB10ポートチャージャーを淘寶で購入してみました(RMB60送料別)。
商品説明には10A出力とあったに商品外箱の出力規格表記には8A MAXとあることや、10口あるUSBポートのうち、2口が2.1A、その他が0-2.1Aと言う不可解な表記があることから、分解して確かめてみます。
分解
テーブルタップのように本体底面の6本のネジを外すと簡単に分解できました。
基板はAC-DCコンバータとUSBポート基板が別体になっているので、コンバータ部分は類似商品との共通品か汎用品なのかも知れません。
まずはUSB基板から確認してみると、もうこれは単純なコネクタ正負端子の並列接続に過ぎないことが分かります。どの端子に挿しても得られる電力は同じはずです。モバイルチャージャによく見られる電源管理ICは見当たりません。
続いてAC-DCコンバータ基板ですがこちらにも電源管理ICは無いので、純粋に交流を直流へ整流して5Vを出力する電源基板なのでしょう。
上図で放熱板を背負った半導体が2つありますが、基板中央部のはAP2764AIと言うN-Ch パワーMOSFET、同右側のはショットキーバリアダイオードMBRF3045です。そして、基板中央やや左の2つの電解コンデンサの間には、整流用ブリッジダイオードDB107Sが載っていました。
負荷試験
元通り組み立てたら、USB電子負荷LD35とUSB多機能テスタUM25Cを用いた負荷試験に臨みます。
各USBポートが並列接続になっていることは分解して判明したので、2Aと言わずUM25Cの計測上限である5Aまで引き出してみます。
USBチャージャーから大きな電流を取り出そうとすると、電圧がどうしても降下してしまうものですが、さすがに単なるDC5V電源なので5Aでも5Vをキープしてくれます。
近頃のRaspberry PiなどのSBCでは大きな電流を必要とする機種が多いので、そのようなデバイスへの集中電源に使おうと思います。