前回製作した DC 12V電源を元に、ルータにしているシングルボードコンピュータやセットトップボックスなど、USB 5V を必要とするデバイス用に、容量の大きめなDC-DC 降圧コンバータ を導入しました。
4ポートUSB 5V10A 降圧コンバータ
淘寶で購入したのは、出力にUSB Aポートを4口備えたこちらの5V10A降圧コンバータ。おそらく主に車載向けで、基板のみならRMB16.50、アクリル板組立筐体付きはRMB21.50と言う価格でした。
仕様は入力電圧が8〜35V、出力はPD無しの電圧5V固定で電流は各ポート2.4Aまで。
基板裏を追うと判るように、出力は背面にも用意されていて、その出力は前面向かって左側のUSBポートと共用の模様。裏面に実装されているIC類は全て刻印が消されているので、それ以上の詳しい情報は判りませんが、なかなかよく考えられた設計という印象を受けます。
説明書も何もありませんが、部品の構成からなんとなく筐体を組み立てることはできます。
USB Aポートの1つにUSBテスタUM25CとUSB負荷LD35を繋ぎ、実際に取り出せるどの程度取り出せそうか、気になる電圧降下を測定してみました。
実際は単ポートで3A超えても問題なさそうで頼もしい限り。
USB 10ポート分電盤の追加
実は4ポートではやや心許ないので、こんなUSB10ポート分電盤を併せて購入しました(RMB17送料別)。
基板裏を見て判るように、USB5Vを単純に給電するだけの構成で、各ポートにマーキングからおそらく2.6A定格のリセッタブルヒューズが配置されています。
これを先ほどの降圧コンバータ背面の出力端子と繋いで、少し不格好な二階建て構造にしました。
試しにこの分電盤にもUM25CとLD35を繋ぎ、出力電流電圧特性を計測、上述のグラフに重ねてプロットします。降圧コンバータ内蔵ポートの時より全体的に100mV前後低く出るのは、ヒューズの内部抵抗分と思われます。
実際に、NanoPi R2S(関連記事はこちら)や安博電視セットトップボックス、ESP32−Cam(関連記事はこちら)を繋いでみたところ、上流のDC12V電圧電流計の読みで〜0.8A程度の消費電流増でした。
PD対応USB 2ポート降圧コンバータ
上述とは別に、スマートフォンの急速充電用に、PD3.0対応の2ポートDCコンバータも購入しました。淘寶での価格は基板のみでRMB16、アクリル板の簡易筐体付きではRMB18。
この基板の入力電圧は8.2〜32V、出力は2つのUSBポート合計で最大4.8A、27WのPDに対応が謳われています。
基板の実装部品を確認すると、管理ICにIP6538、各USBポートを司るMOSFETにはCSD18540が使われています。また、電源入力そばにチップフューズを確認、マーキングからおそらく5Aでしょう。
まずは、安定化電源の12Vを入力に、スマートフォンを繋いでPD急速充電を確認。
筐体と言っても、上下アクリル板を真鍮柱で基板と固定する簡素な構成なので、側面は風が筒抜け。
USB-AポートにUM25CとLD35を繋ぎ、5V限定ながら電圧電流特性を測定。
3Aを超えたところでカットオフが入り、それ以上は取り出せない仕様でした。
最近ではRaspberry Pi 5が5V5Aを必要とするなど、シングルボードの世界も大きめの電力が必要になことが多くなりました。こうしたデバイスにはPD対応チャージャを使うより、5Vのまま多くの電流を取り出せるDCーDCコンバータを使うのが、安定稼働のキモでしょう。