Raspberry Pi による ADS-B 受信機 Piaware の5.0へのアップデート

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図01.Raspberry Pi ADS-B受信機全景

航空機位置情報アプリでお馴染みの FilghtAware へ、その航空機位置情報を提供するための ADS-B受信機 をDVB-TドングルをUSB接続した Raspberry Pi で運用しています。最近そのシステム、PiAware のメジャーアップデートのアナウンスがあったので、早速更新してみました。

debパッケージ版稼働機体の確認

図01.Raspberry Pi ADS-B受信機全景

図01.Raspberry Pi ADS-B受信機全景

PiAwareには、RaspbianベースのOSイメージごと提供されるものと、既に稼働しているRaspberry Pi向けにdebパッケージをインストールするアドオン形式のものがあり、今回アップデートするのは後者です。公式にはRaspberry Pi 2以降を推奨としていますが、初代Raspberry Pi B+でも安定動作しています。ハードウェアとOSの現状は以下の通り。

実はこの機体は、長年dump1090を入れてFlight Radar 24向けにフィードを提供していたのですが、時折堕ちてしまうことから昨年、PiAwareへ乗り換えたたものです。乗り換え当時のインストール方法は、丁寧に解説されている公式ガイドに沿って進めれば良いだけ。

 

Web UIよりPiAwareの更新

FlightAwareの「マイADS-B」ページにアクセスすると、新バージョンへの更新を促す通知が表示されます。

図02.マイADS-Bページに現れる通知

図02.マイADS-Bページに現れる通知

Site Configurationウィンドウの中にある「Device Command」で、「Upgrade and Restart PiAware」を選び、「Send」ボタンを押下することにより更新作業は始まります。

図03.Site Configurationより更新開始

図03.Site Configurationより更新開始

更新作業の様子は下方のログを手動リフレッシュすることで適宜チェックすることが可能です。

図04.Site Configurationにて更新中

図04.Site Configurationにて更新中

数分後、「マイADS-B」ページを再読込してみると、更新は終わって、フィーダータイプに表示されるバージョンは5.0になりました。

図05.マイADS-Bページ上にver.5.0表示

図05.マイADS-Bページ上にver.5.0表示

結局CLIで更新

正常に動作しているか、ADS-B受信機のWebUIであるSkyAwareへブラウザよりアクセスしてみると、元々昨今の疫情下では機影もまばらなのですが、そこへ表示されているバージョン表記が4.0のままでした。

図06.SkyAware画面はver.4.0のまま

図06.SkyAware画面はver.4.0のまま

レポジトリはFlightAwareへ向いているはずなので、コンソールより sudo apt-get upgrade  でパッケージを更新してみます。しばらく更新チェックしていなかったので、PiAware関連以外のパッケージ更新も含まれ、こちらは30分以上掛かり完走。

再びADS-B受信機のSkyAwareへアクセスしてみると、バージョン番号5.0になり、位置情報も正しく受信されているのを確認出来ました。また、高度によるフィルタリングがスライドバーUIになって格好良くなっていました。

図07.SkyAware 5.0になった画面

図07.SkyAware 5.0になった画面

dump978をアンインストール

PiAware導入時の理解不足から、公式ガイドそのままにインストールを進めましたが、978MHz帯を使った978 UATトラッキングは米国内など一部の地域で使われる手法で、それ以外の地域では設定が無効になっているものの、インストールはされています。ログやステータスにも無効になっている旨のエントリが記録されるのが気になるのでアンインストールしてみます。対象となるサービスは次の2つ。

  • dump978-fa
  • skyaware978

まずはこれらのサービスを無効化して問題無いことを確認します。

この状態でしばらく運用し、受信に支障無いことが確認出来たので、アンインストールします。特に dump978-fa  は不要になる付随パッケージがずらずらと列記されて不安になるのですが、結局、autoremoveで全て削除しても支障はありませんでした。

SDイメージ版PiAwareをアップデート

図08.SDイメージ版PiAwareで動くADS-B受信機

図08.SDイメージ版PiAwareで動くADS-B受信機

続いてもう一機、別の場所で稼働している機体もアップデートします。こちらも初代Raspberry Pi B+を使っているのでハードウェア構成は同じですが、PiAware公式SDイメージで稼働していることから、WebUIのみでアップデートが完結するかも知れません。ちなみに2019年にダウンロードしたそのイメージはRaspbian (Stretch)ベースでした。

図09.SDイメージ版PiAware更新前

図09.SDイメージ版PiAware更新前

手順は全く同じ、「Site Configuration」にて「Update and Restart PiAware」を送信します。アドオン版の時と異なり、15分程度掛けてログに完了メッセージが目視出来たので、付随パッケージも更新されたようです。

図10.Site Configurationにて更新完了

図10.Site Configurationにて更新完了

PiAwareが5.0になったのを確認の後、SkyAwareを開いてみるとこれも5.0に更新されていました。公式フォーラムによると、バージョン番号後ろの表記bp09は、back port version 9 (Strech)を意味し、現行Busterベースとは差異があるようです。

図11.SkyAware 5.0-bpo9+1表記に

図11.SkyAware 5.0-bpo9+1表記に

978 UAT系は削除せず

アップデートが完了したので、前述のアドオン版と同じく、978 UAT系のサービスを無効にした後、アンインストールしようとしてみたところ、依存で piaware-release  と言うメタパッケージが削除されてしまうことから中断。

先述のアドオン版にはこのメタパッケージは入っていないので、SDイメージ版のPiAwareのアップデートがWebUIから一発で完了したのは、おそらくこのパッケージのお陰でしょう。

 

SkyAware Anywhere

おそらく新機能だと思うのですが、従来はPiAwareと同じLAN内よりアクセスするしか無かったSkyAwareが、FlightAwareサーバ経由で見れるようになりました。、しかも保有する受信機全てのデータをまとめて表示してくれるのは非常に有り難いことです。

図12.SkyAware Anywhereで保有する全受信機データを表示

図12.SkyAware Anywhereで保有する全受信機データを表示

PiAwareのしくみ

話が前後してしまいますが、いくつものサービスが組み合わさって成り立つこのPiAware、正直なところ、どれが何の為のサービスなのかよく分かっていませんでしが、公式ページのシステムダイヤグラムを見ながら今回のアップデートを進めることで、理解が深まりました。

図13.PiAwae System Diagram

図13.PiAwae System Diagram

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