TeamVewer で macOS 機を操作する時にだけ、ウィンドウを閉じてセッションを終わらせると実機側で ログアウト してしまいます。セキュリティ上、好ましいのでしょうが、普段ログインしたままで使っているので地味に面倒なので設定を見直すも、実はクライアント側のTeamViewerの設定を変える必要があるのでした。
macOS版TeamViewerをホストにすると
TeamViewer 15をインストールしたmacOS機ホストに対して、

図01.macOS版 TeamViewerバージョン
他のTeamViewerクライアントPCから接続して遠隔操作の後、ウィンドウを閉じて接続を終了すると、ホスト側のmacOSではログアウト処理が働き、次のようなmacOSログイン画面に戻されます。
セキュリティの観点からするとこれは好ましい振る舞いなのかもしれませんが、PC起動時も普段は自動ログインで済ませているので、この類いの手間が面倒で仕方ありません。
PasswordOnSessionEndはもう効かない
Ubuntu 18.04やWindows 10といった他のプラットフォームのTeamViewerホストへ接続した際には、これまで全く遭遇したことのない現象なので、macOS版TeamViewerの設定に何かないか、「このコンピュータとの詳細な接続設定」項を見直すも、それらしき項目は見つかりません。
ネットを調べていると、TeamViewerフォーラムでこちらの少し古いスレッドを見つけました。曰く、ターミナルから PasswordOnSessionEnd と言うパラメータに を入れると回避出来るというもの。デフォルトでは存在しないパラメータですが、言われるままにセットしてみます。
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$ defaults read com.teamviewer.teamviewer.preferences "PasswordOnSessionEnd" 2022-03-03 13:44:52.684 defaults[94335:23936823] The domain/default pair of (com.teamviewer.teamviewer.preferences, PasswordOnSessionEnd) does not exist $ defaults write com.teamviewer.teamviewer.preferences "PasswordOnSessionEnd" -int 0 $ defaults read com.teamviewer.teamviewer.preferences "PasswordOnSessionEnd" 0 |
設定後、念の為にmacOSの再起動までしてみましたが、TeamViewer接続終了後にmacOS側がログアウトしてしまうことに、変わりは有りませんでした(当該設定項目は、TeamViewer12当時は有効であった模様)。
設定はクライアント側にあり
ちょっとしたきっかけから、この現象を回避する方法が、クライアント側TeamViewerにあることに気づきました。まず普段使っているUbuntu 18.04に入っているTeamViewer 15.27.3を例に進めます。

図04.Linux版 TeamViewerバージョン
macOSホストへ接続中のウィンドウ上部にあるツールバー、その「セッションの終了」ボタンに鍵マークが付いているのは、「セッション終了時にロック」を意味しており、ロックするかどうかはその右にある「コンピュータのロック」をチェックするかで決まります(デフォルトではチェック有)。
接続の度にこのチェックを外してから終了、を徹底する自信は無いので、クライアント側TeamViewerのオプションの詳細設定の中にある、「他のパソコンとの詳細な接続設定」項を開き、「リモートコンピュータのロック」のパラメータを「自動」から「行なわない」へ変更します。
これであらためてmacOSホストへ繋いでみると、目論見通り、「セッション終了時にロック」のチェックは初めから外れていました。
「他のパソコンとの詳細な接続設定」項にある、この「リモートコンピュータのロック」設定値が「自動(デフォルト)」である場合、macOSホストに対しては【ロック有効】、その他のOSホストに対しては【ロック無し】が接続時の初期値になるようです。
Windows版クライアントの場合
Windows版もLinux版と同じ挙動です。使用したバージョンは全く同じ15.27.3。

図08.Windows版 TeamViewerバージョン
接続中のウィンドウ上部のツールバーはWindows版の方が項目が多いもののUIデザインは同じで、macOSホストへ接続時のデフォルトはLinux版同様の「セッション終了時にロック」にチェックが入っていました。
Linux版同様、オプションの詳細設定に同じ項目を見つけることが出来るので、「リモートコンピュータのロック」を「行なわない」へ変更することで、接続中の「セッション終了時のロック」オプションを初期値で外すことが出来ました。
Android版クライアントアプリ
あまり使うことは無いものの、非常時に役に立つAndroidアプリ版のTeamViewerクライアントは、セッション終了の×アイコンに鍵マークが付いているので、終了後にホストのmacOSはログアウトする仕様です(AndroidからLinuxやWindowsへの接続には鍵マークが付かないのでログアウトしません)。

図11.Android版 TeamViewerクライアント
参考)