aptからLaunchpad PPAへのアクセス壊滅の悪夢

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図1.Launchpad PPAレポジトリでタイムアウト頻発

Ubuntu のパッケージマネージャ apt で日常的な更新作業の際、登録している Launchpad PPA の全てのレポジトリへのアクセスが タイムアウト になりました。ブラウザアクセスやpingに問題は無いことからサーバダウンではなく、自身の設定を疑いますがこちらにも問題は見つかりません。そしてISPを変えると解消することが分かり、ISPとその後ろにいるIXが怪しく思えたのでした。

apt updateでLaunchPad PPA全滅

Ubuntu 18.04デスクトップでいつものように始業の通過儀礼でapt updateを実行したところ、大量のタイムアウトエラーがLaunchpad PPAレポジトリに対して発生しました。

図1.Launchpad PPAレポジトリでタイムアウト頻発

図1.Launchpad PPAレポジトリでタイムアウト頻発



それならと、リトライやタイムアウトの数値を増やしてみたり、

IPv6が悪さをするという例もネット上では散見されることから、IPv4使うことを明示的に指定したり

してみるも、所詮は付け刃な方策で状況が好転するはずもありません。もちろんLaunchpadウェブサイトへのアクセスや、ppa.launchpad.netへのping応答に問題は有りません。

 

Launchpad PPA以外のレポジトリは完走

問題を切り分ける為に一時的にLaunchpadにあるレポジトリを無効にようと思うのですが、レポジトリ毎に /etc/apt/source.list.d/ 以下に個別ファイルとして存在していることが多いので、ターミナルで一つ一つ編集するのは地味に面倒です。

システム設定( unity-control-center )の中にある「ソフトウェアとアップデート」( software-properties-gtk )にある「他のソフトウェア」項を使えば、一元管理が可能です。

図2.システム設定

図2.システム設定

図3.他のソフトウェア

図3.他のソフトウェア

保持しているキャッシュを削除してから、

apt update を実行してみるとあっという間に完走します。

しかしここへ1つでもLaunchpad PPAのレポジトリを加えると、高確率でそのレポジトリがタイムアウトになることが分かりました(たまに完走することがある)。

 

インターネット接続方法を変えると完走

当初は鍵の不具合を疑いインポートし直したりで数時間費やしますが、そもそも「たまに完走するときがある」ところから、次第に疑惑の眼はネットワークへ。自宅のISPは香港大手のHKTで、家庭向け1000Mファイバーが来ています。終端装置とルータを再起動してもタイムアウトは解消しないので、試しにスマホのWiFiホットスポット(キャリアは3香港)に繋いでみると、何度試行してもLaunchpad PPAレポジトリがタイムアウトにならなくなりました。

 

接続別traceroute比較

インターネットへの接続方法に原因がありそうなことから、 traceroute でLaunchpad PPAへの経路を確認してみます。

まずは取得成功したスマホキャリア3香港のデータ通信の場合:

しっかりCanonicalまで到達しているのが分かります。

続いてタイムアウトになる自宅ISPのHKT(netvigator.com)の場合:

ISPからHKIXへ入った先で行方知れず、ホップ数を増やして待ってみてもCanonicalへ到達する様子は有りませんでした。

 

翌日にはタイムアウト障害解消

エンドユーザ側ではもうどうしようもないところに原因が有ると分かったところでその日は諦めて翌朝、再度確かめてみると何も無かったかのように apt update は全レポジトリ完走するようになりました。

そしてあらためてネットワーク経路を確認してみるとHKIXの先が少し変わり、しっかりCanonicalまで到達するようになっていました。

 

どうやらレポジトリサーバとの疎通確認には、ブラウザや ping の他に traceroute を利用する必要もありそうです。

 

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