NanoPi R2SへOpenWRTをインストール

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ルータ用に一年前に買ったものの、じっくり取り組む時間無く「積み基板」化していた NanoPi R2S へ OpenWRT 21.02 をインストールして、マルチコアSoCで動かす OpenWRT の世界へ足を踏み入れます。

ハードウェア

2021年初めにOpenWRTの勉強用にと、淘寶でRMB199で購入したNanoPi R2Sはその後、既にシリーズ後継機種がいくつも発売されている現時点に於いても、価格は世界的な半導体不足等の影響を受けてか、RMB265と値上がりしたまま。

買ってから一年半も放置していた言い訳はさておき、基本仕様をまとめると次の通りです。

  • CPU     : Rockchip RK3328 (1.3GHz / 4Cores)
  • RAM     : DDR4 1GB
  • Storage : micro SD
  • Power   : USB Type-C 5V2A
  • Network : GbE x2 (うち1つはUSB3.0経由)
  • USB     : 2.0 x1

前モデルR1Sでは2つ目のGbEがUSB2.0であったために、その半分の速度も得られないという不評だったのを、今モデルで払拭した形になっています(実はR1Sも買いました)。

図01.NanoPi R1S vs R2S

図01.NanoPi R1S vs R2S

WiFiは内蔵していないので必要ならUSBドングルを挿すことになるのですが、USB2.0の最高伝送速度は理論値でも480Mbpsなので、頑張っても11ac初期の433Mbps程度にしかならない点を割り切る必要があります。

 

UNBOXING

金属筐体底面の保護シールを剥がすと+ネジが見えるので、これを外せば底面が開きますが、この時点でおそらくメーカー保証も外れます。

図02.底面の保護シール

図02.底面の保護シール

もうこれ以上ネジは使われておらず、基板表側にいるSoCが金属筐体とサーマルパッドでくっついているだけなので、基板上左部分のピンヘッダ端子辺りを軽くこじるだけで外れます。

図03.底面から開帳

図03.底面から開帳

特にSoCのある側の金属筐体が分厚くなっているのが分かります。

図04.筐体から基板を分離

図04.筐体から基板を分離

基板表側のUSBポート付近にある白いコネクタはFAN用のもので、外付けFANが上に乗ったケースもあるようです。

図05.基板表裏

図05.基板表裏

OpenWRTの準備

分解したR2S本体を元に戻したら、micro SDカードにOpenWRTをセットアップします。コンパクトなOpenWRTのシステムのメディアは以前、淘寶で何枚か買っておいた1GB無印激安micro SDで十分でしょう。

使用するイメージはFirendlyElec謹製のFriendlyWRTではなく、本家OpenWRTの21.02にしました。

Ubuntu 18.04LTS母艦で、ダウンロードしたイメージをddで書き込みます。

せっかく1GBあるmicro SDの容量を活かすべく、2番めのパーティションrootfsを拡大したいと思います。作業はパーティション拡大からファイルシステム拡大まで一気に処理してくれるGPartedを使いました(メディア間の微妙な容量差を鑑みて後方に多少空きをのこしています)。

図06.gpartedでパーティション拡大

図06.gpartedでパーティション拡大

uci-defaultsを設定

OpenWRTのファーストブート時に実行されるスクリプトを収めたフォルダが /etc/uci-defaults/ で、ここへある程度の設定を uci コマンドの要領で記述しておけば、ルータの初期設定作業を省力化することが可能です(実行後これらのスクリプトは自動的に削除されます)。

OpenWRT開発者ガイドにある作成方法に沿って、ルータのLAN IPやhostnameなどの基本設定を仕込んでみます。

micro SDをNanoPi R2Sへセットして起動させると、2,3分後にはLANインターフェイスからLuCiへアクセスすることが出来ました。

図07.R2S OpenWRTシステム情報

図07.R2S OpenWRTシステム情報

次ページでは、OpenWRTのチューニングをいくつか施してみます。

 

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