USBメモリに入れたUbuntuを18.04から22.04へアップグレード

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FirefoxをSnap版からdeb版へ戻す

下調べの段階でFirefoxがSnap版へ入れ替えられてしまうこと、そしてそのSnap版の動作が遅くて不評なことを知っていたので、こちらの記事を参考にdeb版へ入れ直してみます(Great Works!!)。

先ほどアップグレードの際に入れ替えられたのは、このSnap版Firefox。

図04.Snap版Firefox

図04.Snap版Firefox

まずこのSnap版パッケージを snap コマンドで削除。

apt でダミーパッケージも削除しようとするも、いなさそうなので何もせず中断。

続いて、Firefox/Thunderbirdのレポジトリを追加(メンテナーによる非公式レポジトリ)。

Ubuntu標準レポジトリからダミーパッケージが入らないように、次のファイルを新規作成して追加したレポジトリへより高い優先度を付与します。

下記の例では apt によるインストールの際に -t 'o=LP-PPA-mozillateam' オプションフラグを指定していますが、既に優先度を付けているので無くても良いはずです。

ともあれ、これでdeb版がインストールされ、更にこの後リリースされたver.107もaptから更新することができました。

図05.deb版Firefox

図05.deb版Firefox

LibreOfficeもSnap版からdeb版へ

Snapでインストールされているソフトを確認してみると、いつの間にかLibreOfficeもSnap版が入っていました。

これもFirefoxの例を参考に、見よう見真似で従来のdeb版へ移行してみます。

まずはインストールされているパッケージの削除。

レポジトリは以前から追加していたこちらの公式レポジトリです。

必要なのかどうか分かりませんが、優先度付けのファイルも作ってみました。

以上を経て、aptから普通にインストールします。

Snap版のと同じバージョンのLibreOfficeが、deb版でインストールすることができました。

 

サードパーティレポジトリの棚卸し

もともと古いシステムでより新しいアプリケーションを使い続けようとしていたことから、公式・非公式問わず多くのサードパーティレポジトリを登録していたのですが、アップグレード時にこれらが全て一旦無効化されました。

良い機会なので本当に必要かどうかチェックして、必要なものだけを残した結果が以下の通りです。

  • danielrichter2007-ubuntu-grub-customizer.list
    Grub-CustomizerはブートローダGRUBの編集GUIツール。Ubuntu 22.04では不具合が未修正として、標準レポジトリから外れてしまった模様。
  • papirus-ubuntu-papirus.list
    Papirus-Icon-Themeアイコンテーマ集のレポジトリ。
  • rvm-ubuntu-smplayer.list
    オープンソースなマルチメディアプレーヤーSMPlayerの公式レポジトリ。Ubuntu標準よりもバージョンが新しいことが多い。
  • wireshark-dev-ubuntu-stable.list
    ネットワークアナライザWiresharkの公式レポジトリ。
  • xtradeb-ubuntu-apps-jammy.list
    公式からはAppImage形式での配布のみとなってしまったClipgrabの最新版を、引き続きdeb形式で提供してくれる非公式PPA。他にもcalibre, filezilla, firefox, synergy, youtube-dl, yt-dlp, gpartedなどが網羅されている。

 

レポジトリキーの保管方法変更に関する警告

apt update を実行すると、次のような警告が出るようになりました。

これは、レポジトリのキーの保管方法が従来の /etc/apt/trusted.gpg という一つのファイルにまとめて保管するやり方から、 /etc/apt/trusted.gpg.d/ というディレクトリ内に個別に保管する方法へと変わったためなのだとか(参照元はこちら)。

この警告を解消するために、既存の /etc/apt/trusted.gpg を /etc/apt/trusted.gpg.d/ へ移動してしまいます。

 

WaylandからX11へ戻す

アップグレード後、特にクリックした時のUIの反応が遅かったり、時に無視されるような感じを受けました。

そんな中、既にインストールされているソフトウェアの動作確認を一通り行っていると、リモートソフトウェアのRustDeskがWaylandディスプレイサーバ使用に関する警告を挙げているのを見つけました。

図06.RustDesk Wayland not supported

図06.RustDesk Wayland not supported

同じくTeamViewerでは、実験的なサポートに限定されるとの文言が現れます。

図07.TeamViewer Wayland 限定的サポート

図07.TeamViewer Wayland 限定的サポート

現在使用中のディスプレイサーバは、 設定 より このシステムについて を開き、 ウィンドウシステム 項で確認することができます。

図08.ウィンドウシステムはWayland

図08.ウィンドウシステムはWayland

従来のX11へ切り替えるには、起動時かログアウト後のログイン画面の右下に現れる歯車アイコンに触り、デフォルトのUbuntuからUbuntu on Xorgを選んでからログインするのみ。

図09.ディスプレイサーバを指定してログイン

図09.ディスプレイサーバを指定してログイン

ログイン後、確かにディスプレイサーバはX11に切り替わっており、UIの反応も正常に戻りました。

図10.ウィンドウシステムはX11

図10.ウィンドウシステムはX11

なお、以降のログイン時にもこの選択は保持されるので、毎回指定する必要はありません。

 

それでもなおRustDeskを開くと

の警告が表示されるのは、ログイン画面ではまだWaylandが使われているため、この状態での遠隔操作が出来ないことを意味します。

これを解消するには、RustDeskのオンラインマニュアルに記述されているように、 /etc/gdm3/custom.conf 内のコメントアウトされている設定を有効にします。

RustDeskの警告メッセージはこれで即消えますが、実際には一度再起動させるのが確実です。

 

ワークスペースのグリッド配置

アップグレード前からデフォルトでは、複数のワークスペースは水平か垂直、いずれか一方向に配置されてしまいます。

設定のマルチタスクの中にワークスペースに関する設定があるものの、グリッド化には対応していません。

図11.ワークスペース設定

図11.ワークスペース設定

例えば4枚のワークスペースを行き来する場合、一直線に並べるより縦横にグリッド配置した方が、より少ないキー操作で端から端まで移動できるはずです(ワークスペース間の移動は Ctrl+Alt+Arrow )。

毎回アップグレードの度にこの機能を実現するために愛用している機能拡張が引き続き利用可能かヒヤヒヤさせられるのですが、こちらのGNOME Shell 拡張機能 Workspace Matrixが使えました。

Gnome Shell拡張が入っているブラウザで開き、Workspace Matrix拡張をインストールしてスイッチをONに。そしてページを再読込みすると、スイッチの隣りに設定ウィンドウを開く歯車アイコンが出てきます。

図12.Workspace Matrix拡張

図12.Workspace Matrix拡張

設定ウィンドウで、縦・横のウィンドウ数を設定できる他、切り替え時に表示されるレイアウトのポップアップの表示時間も自由に設定することもできるようです。

図13.Workspace Matrix設定

図13.Workspace Matrix設定

Ctrl+Alt+Arrowキーでのワークスペース切替えがグリッド配置になりました。

図14.ワークスペースがグリッド配置に

図14.ワークスペースがグリッド配置に

 

以上、Ubuntu 18.04→20.04→22.04アップグレードと、その後の設定作業の記録でした。特に致命的な問題は無いことが確認できたので、次回は実機で同様のアップグレードに挑みます。

 

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