exiftoolがMicrosoft Print To PDFのメタ情報を消せないとき

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画像のみならず、PDFのメタ情報も操作出来る exiftool 、印刷時に不必要なメタ情報を削除するのによく使うのですが、 Microsoft Print To PDF で生成されたPDFがエラーで消せない事態に遭遇。そしてUbuntu 18.04でサポートされている exiftool はだいぶ古いことから、ソースから最新版をインストールしてみました。

昨今のオフィス用複合プリンタはプリントジョブ履歴を記録するのに、プリントファイル名のみならずこうしたメタ情報も収集しています。ワードやエクセルで書類を作っている時には全く気にしていませんが、複製・編集と使い回されたファイルに残るオリジナルの作成者情報など、本来の趣旨から逸脱したメタ情報を放置しておくことはあまり良いことではありません。

また、時にセンシティブなドキュメントを印刷する際に、こうした印刷履歴機能を警戒してファイル名を改ざんすることはあっても、メタ情報にまで思いを巡らせたことは無い人がほとんどだと思いますが、ヘッジファンドのオフィスなどでは、こうした複合機の内部記憶装置を定期的に交換してしまうところもあるとも聞きます。

 

Microsoft Print To PDF vs exiftool

そんなある日、メールで送られて来たPDFファイルを印刷するに当たり、その前にメタ情報を消そうとしたところ、エラーで消せない事態に。もちろんファイルは問題なく開くことが出来ます。ファイルのプロパティでメタ情報を確認すると、Windows 10標準のMicrosoft Print To PDFで生成されたことが確認されました。

図1.ワードからMicrosoft Print to PDFで生成されたPDF

>図1.ワードからMicrosoft Print to PDFで生成されたPDF

図2.Windows10 Microsoft Print to PDF

図2.Windows10 Microsoft Print to PDF

試しにPDFのページ単位の結合・分離・回転などの編集ソフト、PDFModで開き何もせず上書きしてみると、exiftoolでエラーなくメタ情報を消すことが出来ました。

図3.PDFModで上書きしたPDF

図3.PDFModで上書きしたPDF

出力されるエラー情報を元に調べてみると、公式フォーラムで不具合は既に挙がっていて、作者より ver.11.94 にて解決済みとのこと。現在使っているバージョンを確認してみると、かなり古いものでした。

 

最新版exiftoolをソースからインストール

Ubuntuのexiftoolメンテナンスページによると、Ubuntu 20.04 LTSですらサポートされるexiftoolはver.11.88止まり。

作者さんはサードパーティレポジトリよりパッケージを提供することには否定的で、公式サイトのインストール手順に従ったインストールを推奨しています。さほど複雑な作業でもなさそうなので、その手順通りに最新版(執筆当時ver.12.18)をインストールしてみます。

早速試してみると、今度はエラー無くPDFのメタ情報を消すことが出来ました。

図4.exiftoolで消されたPDFのメタ情報

図4.exiftoolで消されたPDFのメタ情報

普段はいちいちターミナルを開いてコマンド打ってというのは手間なので、以前紹介したNautilus Actionに登録して、ファイルを右クリックからワンアクションで実行出来るようにしています。

 

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