Raspberry Pi 4 で Windows 11 Insider Preview を起動

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前回、 UUP dump で見掛けたarm向けの Windows 11 Insider Previewを Raspberry Pi 4 に入れて起動させている例をネットでだいぶ見掛けるようになりました。実は発売当初に4GBモデルを冷却ファンと共に買ったものの、ずっと箱に入ったままの Raspberry Pi 4 に Windows 11 を入れてみました。

ハードウェア

今回使うハードウェアはおよそこの量になります。

図01.使用ハードウェア全景

図01.使用ハードウェア全景

Raspberry Pi 4 は本来8GBモデルが今回の目的にはベストなのですが、現在ではなかなか入手困難とも聞くので、手持ちの4GB版新品を開封。

図02.Raspberry Pi 4 4GB

図02.Raspberry Pi 4 4GB


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発熱が大きいので能動的な冷却が必須とも聞き、Raspberry Pi 4購入当時に併せて買った冷却ファン付ヒートシンク。これらは全て淘寶で購入していますが、このヒートシンクは日本国内でもよく見掛ける商品ですね。

図03.冷却ファン付ヒートシンク

図03.冷却ファン付ヒートシンク


付属のサーマルパッドをCPUやRAMに貼り、Raspberry Pi 4基板をヒートシンクで上下から挟み込んでネジ止めします。

図04.サーマルパッド貼り付け

図04.サーマルパッド貼り付け

図05.ヒートシンク装着済

図05.ヒートシンク装着済

と、ここまでは通常のRaspberry Piハードウェア構成です。次にWindows 11を入れる起動用M.2 SSDとそのUSB3.0エンクロージャ、いずれも中華製の安物です。

図06.中華M.2 SSDとエンクロージャ

図06.中華M.2 SSDとエンクロージャ

エンクロージャのアルミ筐体はそれ自身がヒートシンクを兼ねており、M.2 SSDを装着した基板を差し込むと、半導体とすれすれでに接して放熱する仕組みのようです。それでも微妙にすき間があるように見えるので、発熱具合を見ながら対策が必要であれば、薄いサーマルパッドを貼るつもりです。

図07.SSDを載せた基板をエンクロージャへ

図07.SSDを載せた基板をエンクロージャへ

エンクロージャに入ったSSDは、Raspberry Pi 4のUSB3.0ポート(真ん中の列の2つ)に挿して使うのですが、その前にUSBブートを可能とするため、SDカードに入ったRaspberryPi OSから起動して作業を進めます。

図08.Raspberry Pi 4とUSB3.0接続したM.2 SSD

図08.Raspberry Pi 4とUSB3.0接続したM.2 SSD

Raspberry Pi OSをSDカードにセットアップ

最近は、公式配布のRaspberry Pi ImagerからSDカードにRaspberry Pi OSを焼く手法が主流なので、試してみたかったのですが、Ubuntu 18.04ではImagerのインストール時にエラーが出てしまい、残念ながらインストール出来ませんでした。従ってこれまで通り、ダウンロードしたイメージをddコマンドで焼きます(OSはLite版)。

SDカードを焼き終えたら、母艦に挿し直し、bootパーティションの中に ssh という空ファイルを作り、起動時からsshを有効にします。さらに同じ場所に wpa_supplicant.conf を作ってWiFi接続情報も予め作っておくと、起動時にシステムが自動的に読み取って接続を試みるので便利です。

 

Raspberry Pi OSを起動しUSBブート可能にする

Raspberry Pi OSの入ったSDカードのみをRaspberry Pi 4に挿して起動させ、sshコンソールよりアクセスしてまずはシステムを最新にします。

5月末リリースのシステムイメージから一ヶ月半程度経ったばかりですが、鋭意更新がなされているようで、思った以上のパッケージが更新されました。続いてRaspberry Pi用Firmwareを更新します(更新後は必ず再起動)。

再起動後、最新のブートローダをインストールして、また再起動。

再起動後、raspi-configでRaspberry PiをUSBデバイスからブート可能出来るように変更します。

メニュートップからAdvanced Optionsへ進みます。

図09.raspi-config Top

図09.raspi-config Top

次にBootloader Versionを選択。

図10.raspi-config Advanced Options

図10.raspi-config Advanced Options

Bootloader Versionでは「Latest」を選択して、最新のブートROMを使うように仕向けます。「OK」を押して確定。

図11.raspi-config Bootloader Version

図11.raspi-config Bootloader Version

設定変更の確認ウィンドウでブートROMをデフォルトにリセットするか聞かれますが、「No」を選択します。

図12.raspi-config Reset boot ROM to defaults

図12.raspi-config Reset boot ROM to defaults

これでブート関連の設定の一つが終わりました。尚、raspi-configのバージョンによって遷移が異なる場合もあります。この設定項目が見当たらない場合は、トップからSystem Optionsを辿ってみてください。

もう一つのBoot Orderに関する設定も、Advanced Optionsの中にあります。

図13.raspi-config Advanced Options

図13.raspi-config Advanced Options

Boot Orderの設定では、「USB Boot」を選び、USBデバイスからのブートを有効にします。

図14.raspi-config Boot Order

図14.raspi-config Boot Order

図15.raspi-config Boot Order Set

図15.raspi-config Boot Order Set

必要な設定は以上です。メニュートップで「Finish」を押して終了すると再起動を促されますが「No」でそのままシェルに戻り、一旦Raspberry Pi 4の電源を落とし、SDカードももう必要ないので抜いてしまいます。

図16.raspi-config Finish

図16.raspi-config Finish

 

Raspberry Pi 4 で Windows 11 Insider Preview を起動」への1件のフィードバック

  1. あのん

    USB2の最大速度は60MB/s、現実的には30MB/sくらいなので、それ超えてる時点でUSB3.0以上確定です。

    なのに他のPCのUSB3より遅いことや、インストールしたWindowsが遅いのは、CPUやその周辺チップが遅いのが原因です。
    USB3.0の最大速度だと処理が追いつかず減速してます。

    といっても、組み込み機器として考えたらかなり優秀ですね
    Coreエディション選んで、券売機や広告再生機とか作ると良さそう。

    返信

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