GL-AR750S OpenWRTでFlow Offloadingを有効化

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図3.Software flow offloadingの有効化

OpenWRT 19.07で実装された Flow Offloading 機能を、GL-iNet社の GL-AR750S で実際に有効化してみて、CPU負荷や回線速度を相対比較してみました。

OpenWRTのFlow Offloading

CPU負荷の軽減と回線速度向上が見込めるとの記述を近年よく目にする、OpenWRTルータのFlow Offloading機能は、
Kernel 4.14をベースとするOpenWRT 19.07より、実験的ながら利用可能になりました。

SoftwareとHardwareと言う2つのFlow Offloadingのうち、Hardware OffloadingはMediaTek製の一部のSoCに限定されるため、今回GL-AR750Sで使ってみるのはSoftware Flow Offloadingです

図1.OpenWRTシステム情報

図1.OpenWRTシステム情報

なお、現時点で分かっている情報として、IPv6では正常に機能しないという点があるので注意。

 

Flow Offloadingの有効化

Flow Offloadingに関する設定は、OpenWRTのLuCIで Network Firewall ページの General Settings タブの中にひっそりとあるこのチェックボックス。

図2.Firewall一般設定

図2.Firewall一般設定

Software flow offloadingへチェックを入れると、その下へHardware flow offloadingのチェックボックスが現れますが、こちらはチェックを入れずに Save & Apply を押して適用します。

図3.Software flow offloadingの有効化

図3.Software flow offloadingの有効化

Firewall設定の再適用で数秒程度LuCIが待ち画面になるものの、その間もネットワークは途切れたりしないので既存のセッションに気兼ねすること無く、Flow Offloading機能を試すことができます。

なお、この設定変更により設定ファイルへ追加される項目は、次の一行です。

 

Synology NASからスピードテスト

Flow Offloading機能の効果を試すべく、このルータと中華ギガビットハブを介して有線接続している、Synology NAS DS213jからSpeedtest CLIを使って回線速度を計測してみようと思います。

以前、NanoPi NEO2 BlackにSpeedtest CLIを仕込んで組んだインターネットスピードテスタを使っても良かったのかも。

Synology DSM上での実行に際しては、Pyhton製の汎用Speedtest CLIを使わせて頂きました(Great Tnx!!)。

wget でスクリプトをダウンロードし、実行権限を付与するだけで計測可能。

コマンドラインオプションも同じで助かりました。

計測前にまずは利用可能なサーバを確認します。

#32155を相手に、Flow Offloading無し・有りそれぞれの場合で計測してみます。

上り下り共にあっさりと倍以上の速度になりました。CPU負荷については、Software Flow Offloadingという性質のためか、両者の間に明確な差異を見つけるには至りませんでした。

 

WiFi越しにスピードテスト

最後にGL-AR750S内蔵の11ac WiFi越しになってしまいますが、AndroidスマートフォンからSpeedtestアプリを用いて、Flow Offloadingの有無による差異を比較計測してみました。

図4.Androidアプリからの計測結果

図4.Androidアプリからの計測結果

こちらでもやはり、上り下り3〜4倍近くの速度向上を確認することができました。

 

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