IBM ServeRAID M5014コントローラにおけるHDDとSSDの混在

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VMware ESXiホストを担うIBM x3650M3のRAID1アレイを構成する HDD に障害が発生、入れ替えに同容量の SSD を当てるも、アレイ内の HDD と SSD の 混在 は搭載の IBM ServeRAID M5014 コントローラが非対応という結果に。

ディスク交換してもリビルドが始まらない

前回、RAID1アレイを構成するHDDの障害を知らせるアラーム音を一時的に止めたこのサーバに、ようやく交換用ディスクが手配されました。

IBM x3650M3に搭載の ServerRAID M5014コントローラはディスクのホットスワップに対応しているので、システムを稼働させたまま、ディスクの交換が可能で、通常は交換が済むと自動的にリビルドが始まるはず。

図1.交換後もリビルド始まらず

図1.交換後もリビルド始まらず

が、いつまで経ってもアクティビティを示すLEDが点灯しないとのことで、この時点で初めて現場確認に呼ばれます。

挿したディスクを抜いて確認すると、それは新品で同容量のSATA SSDでした。

図2.HDDをSSDに入れ替え

図2.HDDをSSDに入れ替え

ServeRAID M5014の仕様をMegaCliで確認

ストレージをHDDからSSDへリプレースする過渡期などに於いて、RAIDアレイ内で両者を混在させたいと言うケースは実際あると思うのですが、RAIDコントローラによってはサポートされないのだそう。

MegaCLIで現在使用中のRAIDコントローラの情報を確認してみます。

 

長い出力結果の後方、 Default Settings 欄に Allow HDD/SSD Mix in VD : No とあることから、このRAIDコントローラでは同じアレイの中にHDDとSSDが混在できないことが分かります。SSDを挿してもリビルドが始まらないのは、この仕様によるものです。

ちなみに別のRAIDコントローラではこの混在に対応したモデルもあるようです

 

HDDアレイにSSDを入れるとどうなるか

リビルドが始まらない理由が分かってしまえばなるほどその通りなのですが、エラーメッセージか何か警告が挙がるわけではないので、実はなかなか気づきませんでした。以下がそのMegaCLIと格闘のログになります。

 

まず始めに、RAIDアレイの設定をMegaCLIで確認してみると、

続いて、故障したHDDと入れ替えたSSDの状態を見てみます。

オフラインにしようとすると

ミッシングディスクの一覧に残るのはあくまでも、故障して既に取り除いたHDD。

ミッシングディスクのリプレースを試みるも、少しだけ意味深なエラーメッセージ。

リビルドの手動開始も当然できません。

念のため、RAIDコントローラ上に既存の設定が残っていないか確認するも、全くなし。

但し、同じコントローラ上にHDDとSSDが混在することは許されるので、このSSDをグローバルホットスペアにすることはできまずが、既存のHDDアレイへ加わることはできません。

(とにかく情報量が多い出力結果も egrep でキーワード抽出することで見やすくなるので、定期監視時にも使えそう)

 

Default Settingなら変更できる?

冒頭のRAIDコントローラ情報で、 Allow HDD/SSD Mix in VD : No が記述されていたのが、 Capabilities ではなく、 Default Settings 項であったことから変更が可能なのではと思い、調べてみるとこちらのスレッドを見つけました。

MegaCLIの流れをくむStorCLIでも変更できないようなので、 Capabilities に記載されるべき項目なのかも知れません。

結局、本事案は同じSSDをもう1基調達し、2基のSSDで新たにRAIDアレイを作成、ESXiホスト上に新しいデータストアとして登録し、仮想マシンを順次移設させることになりそうです。

 

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